出産の日のお父ちゃん:長男編
三日目の投稿のホセ・リカルドです。
今日は長男が生まれた日のことを書こうと思います。
写真:長男が生まれた日はちょうど満月の夜でした。
その日はちょうど出産予定日の1週間前で、
朝から妻は産婦人科で検診の予定でした。
「もしかしたら今日生まれるかもしれない」
と妻が言いましたが、まだ1週間前です。
もしそうだとしても、今日は検診だし、
何かあったら病院だから大丈夫かなぁと、のんびり構えていました。
何やら昨日「お印(しるし)」というものが出たそうです。
そういうものがあるのかぁ、とそれでも僕はのんびりしていました。
いつも通り仕事へ行って、お昼が過ぎましたが、
病院に行った妻から特に連絡はありませんでしたので、
何ともなかったかなとひとりで安心していました。
そうして夕方にさしかかった頃、妻から着信がありました。
「陣痛が来てるから、今から陣痛タクシーで病院に行く」
そりゃもう大慌てです。
のんびり構えていたところに「ジンツウガキタ」です。
「生まれるそうです、生まれるそうです」と職場の人に意味もなく触れ回り、
早く帰りなさいと促されるままに職場を飛び出しました。
その当時職場から家の最寄り駅までは1時間ほど。
最寄駅から妻の通っていた産婦人科まではバスと急いで歩いて10分ほど。
移動時間は十分あったので色々考えました。
-
立ち合いってどうするんだっけ?
- 今からだから夜中いっぱいかかって朝出産か
- 明日は仕事休んで出生届とか出さなきゃな
病院まで徒歩で向かう頃にはあたりはほとんど暗くなっていました。
でもはやる気持ちが抑えられず、ちょっと小走りしたり、
とにかくその時が待ち遠しかったのを覚えています。
病院に着くと妻は病院の服を着て、分娩室で仰向けに寝させられていました。
今晩は病院で食事の用意はないから、何か食べ物や飲み物を買って来たらいいかもしれません、と病院の人に言われたので、
すぐに病院近くのコンビニへ行きました。
この時もなんだかよくわからないので、
妻が好きそうなパンやら、長期戦になってもいいように、
おにぎりやらお茶をずいぶんたくさん買ってしまいました。
病院に戻り、今日一日の顛末を聴いてみると、
どうも朝検診で病院に行った際に、
「今日中に生まれるけど、どうする?」と先生に聞かれたそうです。
それに対して妻は、まだ家の家事が残ってる!まだ入院はできぬ!と、
武士のような発想で、入院を拒否。
歩いて徒歩12、3分程度の自宅まで戻り、
洗濯物やら買い物、そして料理の仕込みまでしたそうです。
でもね、ここで、先ほどはっきりとお伝えしませんでしたが、
先生から今日生まれるよと言われた=子宮口もう開いてる、の状態です。
ドンコ、ドンコ定期的に陣痛が来る中、
(音は勝手にお父ちゃんが想像している音です)
妻は「きんぴらごぼう」を仕込んでくれていました。
そうして夕方、洗濯物をとりこみ畳もうとした時に、アウト!!
陣痛の痛みに耐えかねてタクシーを呼んで病院へ来たそうです。
まぁ、なんにせよ無事病院までたどり着いて、いよいよこれから出産だね。
僕仕事の服のまんま来ちゃったけど、このまま朝まで付き合うよ。
さぁ買ってきたお茶はいるかい?
今の状況を理解して、微力ながらできそうなことをしようとする旦那。
陣痛に苦しむ妻をいたわって、これぞ立ち合い出産。
そこへ先生が現れて一言。
「はい、じゃ、今から生みますよ」
!!!!!!!??????
へ???
生まれる??!!
そこからはあれよれよという間でした。
夜中中がんばって感動の出産、ではありません。
気が付けば、「はい!旦那さん奥さん支えて!」
「はい!手を持ってあげて」
「ほら!ちゃんと支えて!」
なんか出産を手伝う側の人といっしょになってるんですけど?
「奥さんちょっとおなか押しますね」
と言ったかと思うと、看護師さん妻のおなかの上に乗ってる!!
「いきんで!顔に力をいれるんじゃなくて、いきんで!」
「どうやっていきむんですかー!?」
(長男の時は和痛分娩のため、麻酔でうまく力が入らないそうです)
「先生あれをお願いします」
なんか先生がゴットハンド的な手つきでなんかしだした!
「吸引行きます」
こ、こ、これが噂の赤ちゃんの頭が伸びて生まれる吸引!!
(ちゃん頭の形戻りますから大丈夫です)
「もう少しだ、さぁもう生まれるよ」
どさどさー
そうして我が子は生まれてきました。
もうそれはそれは可愛くて、小さい命でした。
がんばってくれた妻に本当に感謝しています。
妻と自分の実家に連絡し、facebookだのLINEで友だちにも生まれたことを報せました。
結局夕方の5時ごろに呼ばれてから、4時間もせず、
9時前には生まれてしまいました。
自分はなんてのんきな考えでいたんだろうとつくづく思います。
帰り道、冒頭に掲載した満月の夜でした。
月の引力にひかれてちょっと早く生まれたのかな、などと思いました。
そうして何度も「やったーーー!」とガッツポーズ。
周りの人からしたら不審者でした。
家に帰ると部屋中ひっちゃかめっちゃか。
でも「きんぴらごぼう」はちゃんとあって、
妻の激闘のあとがそのまま残っていました。
その日はずいぶん興奮した自分がいたと記憶しています。
そうして父親としてがんばろうと決意した夜でもありました。
あれから2年と3か月ちょっと。
妻のお陰で長男は元気にすくすく成長し、
今では妹の世話をしたがる優しいお兄ちゃんになりました。
その間、どんな風に育てたのか、
どんな工夫があったのかをこのブログを通して紹介できればと思います。
これからもどうぞこのブログをのぞいてみてください。
ちなみにこんなサービスがあるそうです。
こんなのを利用していたら妻の入院中や、
その後の急な事態ももう少し楽だったかもしれません。
↓